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中学生の投資学
☆☆これから社会に出る子供たちのための投資講座☆☆



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第30回 今、なぜ、株式投資なのか@

 戦後、日本では、賃金を安価に抑えるために、終身雇用制度の名の下に、会社を家に、従業員を家族に見立てて一体感を連想させて、労働者を欺いてきました。
従業員として最も利用価値がある、最もサービスを生み出すことができる壮年期の給与所得を低く抑えるために、年功序列という雇用形態を生み出しました。
実力勝負ですと、働き盛りの従業員には、多くの賃金を支払わなければなりません。
ところが、年功序列ですと、将来、賃金が上がるのだからと言って、働き盛りの労働者の賃金を低く抑えることができます。
特に、戦後暫くまでは、老年層より、若年層の労働者の方がはるかに多かったのですから、本来なら給与として支払うべき多くの資金が、年功序列によって、会社に留保されたり、競争力のある商品を輸出するために利用されたりしてきました。
戦後の日本を支えた「良質で、安価な労働力」というのは、このようにして生み出されたものなのです。
1980年代までの日本は、年功序列型の雇用形態に、何ら疑問を抱きませんでした。
それで、安定した社会が、未来永劫続くと思っていたからです。
ところが、現実は、期待を大きく裏切ることになってしまいました。
「失われた90年代」と言われるものがそれです。
実は、冷静に考えれば、年功序列型の雇用形態は、破綻するべくして、破綻したことに気付くはずです。
バブル崩壊が契機になったのは事実ですが、バブル崩壊が年功序列型の雇用形態を破壊した訳ではないのです。
と言うのも、年功序列型の雇用形態は、年齢別の労働者の分布がピラミッド型であるか、非常に低い賃金体系でないと成り立ちません。
例えば、わかりやすいように、一人の労働者が生み出すサービスを、年齢や才覚に関係なく、一定であると仮定します。
すると、若い間は、生み出されるサービスより、支払うべき給与の方が低いのですから、会社に利益が残ります。
ところが、年齢を重ねていくと、給与が上昇しますから、ある年齢で、生み出されるサービスと給与が同等になり、それ以降は、給与がサービスを上回り、会社の持ち出しとなる訳です。
ですから、会社にとっては、老年層より、若年層が多くなければ、収益を圧迫し、構造的な赤字体質になってしまうのです。
また、年齢別の労働者の分布は、年齢別の国民の分布と基本的に比例しますので、近年の少子高齢化が、会社の労働者構成に悪影響を与えていることは言うまでもありません。
また、これに追い討ちをかけたのが、給与価格の高騰による損益分岐点(生み出されるサービスと給与が同等の点)の低下です。
この損益分岐点を考えた場合、1985年までは、非常に高いレベル、つまり、60歳になっても到達するか、しないかのレベルに設定されていました。
ところが、1980年代後半になって、急に切り下げられてしまいました。
その原因は、円高ドル安政策です。
例えば、月額30万円の給与を受け取っていた場合、1985年当時の1ドル240円で換算すると、月額1,250ドルとなります。
これに対して、現在の1ドル120円で換算すると、月額2,500ドルとなります。
つまり、国内的には給与の変化は無いのですが、海外から見れば、2倍に増えているということになります。
日本は輸出大国と言われているように、輸出で国が成り立っているのです。
国内的な見地よりも、国外的な見地で見た方が、日本の現状を認識する上では、より有効なのです。
ですから、その結果、損益分岐点は、1/2のレベルにまで低下してしまい、国際的な見地から、企業の逆ザヤ現象、つまり企業の持ち出しが生じてしまったのです。
こうなると、企業は、倒産するか、労働者を解雇、ないしは給与の減額をするしか、生き延びる方法はありません。
それで、現在のリストラ社会になってしまったのです。


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