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中学生の投資学
☆☆これから社会に出る子供たちのための投資講座☆☆



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第38回 9割の人が損をしている

 バブルの頃、日経平均が4万円をつけていた頃は、誰もが儲けていたと思っている人が多いのではないでしょうか。
しかし、現実は違うのです。
実に、9割の人が損をしていたのです。
このことは、統計データとして、はっきりと残っています。
バブルの頃は、日経平均が上昇の一途を辿り、多くの資金が株式市場に流入していました。
誰でも、簡単に儲かると思われる相場だったはずなのに、実際には、多くの人が損をしていたのです。
ここにも、われわれが儲けられない理由が潜んでいるのです。

 株式投資の格言に、「人の行く 裏に道あり 花の山」というのがあります。
多くの人が行き来する表街道よりも、人が通らない裏街道の方が、花が咲き誇っているということです。
株式投資では、相場が良かろうが、悪かろうが、9割の投資家が損を出しているのです。
つまり、標準的な投資家というものは、儲からずに、損をしているということなのです。
ですから、儲けたければ、標準の投資家とは違った方法を用いなければならないのです。
世間一般的な判断では、決して儲けられないということです。
例えば、買っている銘柄が上昇した場合、世間一般的に、そろそろ天井だと言われれば、多くの投資家は売りたくなります。
いつ反落するかわからない恐怖の中で、持ち続けることができないからです。
ところが、こういう場合に限って、反落どころか、押し目すらつけずに上昇していきます。
反対に、世間一般的に、まだまだ上がると言われれば、多くの投資家は売りたくはありません。
持っていれば、まだまだ儲かると思っているからです。
ところが、こういう場合に限って、直ぐに天井をつけて反落してしまうのです。
必ず、と言って良い程、世間一般の評価とは逆に進んでしまうものなのです。
このことを理解できない、または理解できても実行できない投資家が、非常に多いのです。
実は、このメカニズムは、心理学からアプローチすれば、簡単に説明がつきます。

 そろそろ天井だと言われれば、多くの投資家は売りたくなります。
すると、気の弱い投資家から、ゆっくりと売り始めます。
この売りは、少しずつ出ますので、いわば相場のガス抜きの役目をします
少しずつ出る売りでは、相場を壊すほどのパワーが無い為、思ったほど売りが少ないとして、売り物は新たな人に拾われて、ゆっくりと株価は上げ続けるのです。
すると、持っている人は、みんなある程度の利益が出ていることになりますので、出た利益に満足した人から、また、ゆっくりと売り始めるのです。
また、新たに買った人たちも、上げ続けることにより利益が出ていますので、相場を壊すほどの売り物が出てこないのです。
これとは反対に、まだまだ上がると言われれば、誰も売りに出しません。
すると、売り物が無い中、買いたい人の勢いで、株価が急騰して行きます。
最初は多くの人が買いたいと思っていても、さすがに買えずに値段だけが上がり続ければ、徐々に買いたいと思う人が減っていきます。
すると、余り欲深くない人は、ある程度利益が出たので売ろうとします。
すると、急騰していた株価が、一瞬、止まることになります。
そうなると、相場の動きに機微な投資家は、汐向きの変化を感じて、一気に売りに回ります
この売りを吸収できるだけの買いたい人がいれば良いのですが、吸収できないと反落することになります。
途端に、まだまだ上がると高を括っていた投資家が、一気に狼狽売りを始めますので、急反落してしまうのです。
このように、株式投資は、世間一般の意見が一致すればする程、その意見を裏切ることになります

 この意見を裏切る原因というのは、実は、儲けたい、損したくないという一方通行的な欲望にあるのです。
そもそも多くの人が集まれば、それだけ意見が分かれて、誤った一方的な方向には進まず、中庸になるというのが民主主義的な発想です。
ところが、多くの人が同じ感覚で判断すれば、一方向に、大きく傾いてしまうのです。
世界大恐慌の中、ナチスを支持したドイツ国民のように、不況の原因をユダヤ人弾圧に求めたり、共産党単独支配の中、スターリンを支持した旧ソ連国民のように、非共産党系国民を虐殺したりするのです。
株式投資の世界でも同じです。
儲けたい、損したくないという一方通行の思いが、価格を大きくブレさせ、結果として損することになってしまっているのです。
ですから、損したくないのであれば、早く儲けたい、大きく儲けたいと思わずに、小さく儲けたいで我慢しなければなりません。
少ない利益で満足して売ることが出来なければ、儲けられないということです。


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